トラウマ・うつ・発達障害などの苦痛から自力で抜け出してみよう

目次

はじめに

こんにちは。北朝霞きくのふ整体院の菊池信博と申します。

 今回は整形外科で2万人以上を改善に導いた知識と経験を持つ筆者が「ポリヴェーガル理論」について分かりやすくお伝えさせていただきます。

今回は「ポリヴェーガル理論」の続きです。まだ前回のコラムを読んでない方はまずこちら👇から前回のコラムをご一読していただければと思います。

前回のコラムをまとめると

・人間は3つの自律神経(アクセル・ブレーキ・チューニング)が自動的に命を守るために動いている

・3つの自律神経は反射的に反応するので、意思とは別に働く。すなわち(やりたいのにできない。やりたくないのにやってしまう。)という反応を引き起こす。

・なかでもチューニング神経が機能して他2つの神経の過剰反応を抑えることが重要だということ。

自分はいまどのゾーンにいるのだろう?

まず自分の体の状態を3つの神経系で観察することをこころがけてみましょう。 

下の図を見てください。
3つゾーンがありますが、注目したいのが顔マークがある「注意」ゾーンです。
なぜならメンタル疾患のほとんどが「注意」ゾーンにいる状態だからなのです。

そして「注意」ゾーンの中でも上の方に位置(アクセル神経が優位)していれば

・死ぬ気で仕事をする状態
・クビを怖れておびえながら仕事をする状態


下の方に位置(ブレーキ神経が優位)していれば

・気づいたら倒れていた
・やる気が全く出てこない状態

 ブラックな会社で見かけそうなこの状態の人はチューニング神経が働いてない状態、つまり安全感やつながり感が少ない状態です。
 そして「学校に行くか、行かないか」「仕事に行くか、行かないか」「悪いのはあの人か、この人か」「正しいか、間違ってるか」のように二者択一の発想になりやすいのです。

危険なゾーンから抜け出すには?

 自分の体の状態を改めて観察してみて、3つの神経系のゾーンのどこに位置しているのか当てはめてみることができましたか?

・残業ばかりで疲れすぎてアクセルとブレーキ神経が働きすぎ「注意」ゾーンなのかも?
・「注意」ゾ状態にいるから同僚と対立してしまっているのかな?
・部下の仕事をいちいちチェックしないと気が済まないのはアクセル神経が働きすぎて余裕がないのかも
「注意」ゾーンにいるから?
・なんとなく体がだるいのは今抱えてるプロジェクトが不安でブレーキ神経が働きすぎ「注意」ゾーンになってるかも?

自分が「注意」ゾーンに入っていてると気づいたらこう考えましょう。


1.「ついカッとして心にもないことを言ってしまった」ことに対して
×  どうしてこうなるんだろう。自分の性格が悪いのかな?


〇 仕事が忙しすぎてアクセル神経が働きすぎイライラしやすい状態だったのだろう。明日ちゃんと謝ろう。

2.「今日も学校を休んでしまった。」ことに対して
× 情けない、自分は怠け者で甘えてるんだ


〇 ブレーキ神経が働きすぎて体が反応して動かない状態なんだ。無理せず自分のできることから始めよう。

 自分を責めることが無くなって、それだけで少し心に余裕が持てるようになります。
そして余裕が少し持てれば「チューニング神経を機能させていけばいいんだ」と考えられるようになります。

 チューニング神経が回復しだすと、このような二者択一の感覚や思考から、別の感覚や思考を感じられます。不安な中であれこれと問題の答えを探しても、誰かと話すとか、動物や自然と触れ合って落ち着いたら「なんだか悩みがちっぽけに感じる」「どうしてあんなことで悩んでいたのだろう」という経験をした人も多いはずです。

チューニング神経を働かせよう

①過去の体験を思い出して、自分が落ち着くものを知っておきましょう。

安心感安全感穏やか平和愛おしいあたたかい感動一体感というような感情や気持ちになったイベントや物を書き出してみるといいと思います。

好きな音楽を聴いて紅茶を飲んでリラックスした。
・残業で疲れて家に帰ったら、ペットが迎えてくれて、ふと力が抜けて笑顔になった。
・用事に出かけるのが面倒だなと思っていたが、好きな歌手の新曲がテレビで流れていてワクワクした。
・サウナと水風呂を繰り返すと「ととのう」状態を味わえた。
・キャンプをしながら焚火をただただボーっと見ている時間が心地よい。

②マインドフルネス瞑想を取り入れてみる

瞑想というと「雑念」をなくすのがムリと感じる人が多いです。

そこで私がおすすめするのは寝ながらできる超簡単な瞑想です。


1.寝る前に横になりながら目をつむる(スマホで10分タイマーをかけておいても良い)

2.体の頭からつま先までスキャンする感じでゆっくり自分の体に意識を向ける。
(30秒ぐらい)
「ベッドから右肩が浮いてるから大分肩が凝ってるなぁ」
「右のお尻の暑さが左右違うなぁ」
 など、ただ自分の体の現在に意識を向けるだけでよい

3.呼吸に意識を集中する(息の長さは意識せず、心地よいぐらいの長さで)
・息を吸って空気が体に入ってきたら「吸っている鼻の奥の感覚」を感じる
・吐いて出ていくのを感じたら「吐いている鼻の奥の感覚」を感じる
・途中、どうしても雑念が浮かんでくるがそのたびに「イカン、イカン」と呼吸に集中する

・眠くなったらそのまま寝ても良い

どうですか?これならできそうですよね。

③顔、首、舌、喉にアプローチする

 チューニング神経は正式には「腹側迷走神経複合体」といいます。腹側迷走神経は、心臓の動きや呼吸の速さを穏やかにする神経です。その他の神経は顔、首、舌、喉に関連する神経です。
 つまり「顔、首、舌、喉の動き」が「穏やかな心臓の動き」が複合して関連しているということです。そのため、穏やかな心臓の動きになるためには顔、首、舌、喉にアプローチすると効果的と考えられています。

うがい(鼻うがい)をする
上咽頭(鼻と喉の間、鼻の奥の突き当り)をケアするために、「鼻うがい」もしくは上を向いてする「喉のうがい」をしましょう

大げさに「あ」「い」「う」「べ」と言う
声に出さなくてもいいので、顔と口を大きく動かします。「べ」のときは舌を突き出して下に伸ばしましょう


顔に刺激を与える
刺激する部位としては、目のまわり、頬骨の下、こめかみ、アゴなどやさしくタップするかただ触れるだけでもいいので、「気持ちがいい」「心地よい」「穏やか」という感覚を感じるところを探しましょう


首の凝りをほぐす
自分でマッサージするかご自宅付近の整体でもいいので、首の凝りを解消しましょう

まとめ

いかがでしたか?
①今自分がいるゾーンを知ること
②もし「危険」ゾーンにいるならヤバい状態だということ
③「危険」ゾーンから抜け出すにはチューニング神経を働かせるのが重要だということ
④チューニング神経を働かせる具体例
をまとめました。

 朝霞台で自律神経の乱れに悩んでいる方は北朝霞きくのふ整体院で「全身調整整体」を受けてみてくださいね。 


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